チャットボットのメリットとは?導入事例とその先の未来
チャットボットを単なるオンライン接客の自動化技術だと思っていませんか?
実はチャットボットにはもっと幅広い応用が可能です。
本記事ではチャットボットのメリット・デメリット、企業が取り組んでいる様々な有効活用、さらにその先の未来をご紹介いたします。
チャットボットのメリット
ECサイトからライフラインまでチャットボットの利用シーンは数多いです。
導入したサイトによって得られるメリットもそれぞれに異なりますが、大きくまとめると下記の5点に絞られます。
省力化によるコスト削減が出来る
ヘルプデスクやお問い合わせフォームを通じて連絡を受けると、質問内容に関わらず担当者が回答する必要があります。
ヘルプページを見ればすぐに分かるような些細な質問や一言で済むような問い合わせにいちいち返信するのは非効率的ですが、チャットボットを導入すればその場で解決できるので省力化出来ます。
チャットボットを導入した場合、その質問の半分以上がチャットボットだけで完結できる簡単な問い合わせであることが分かっています。
オペレーターは電話対応などより高度なカスタマーサポート業務に集中できるでしょう。
何より顧客にとっても問い合わせをしてから返事を待つ必要がないので、双方にとって都合がよいと言えます。
24時間・365日対応が出来る
ECサイトは深夜帯こそ顧客が買い物をするコアタイムですが、会社としては営業時間外となります。
しかしチャットボットなら休みなく動き続けるのでいつでも自動的に回答できます。
接客品質が安定し顧客満足度が向上する
チャットボットと比べて有人接客は柔軟性に優れていますが、オペレーターによって接客品質にバラつきがあります。
接客マニュアルを用意することで一定のクオリティを担保出来ますが、チャットボットは常に安定した対応が出来るので接客品質が安定します。
そして接客品質の安定は顧客満足度の向上にもつながります。
加えて訪問者の過去の購入履歴の傾向を踏まえた上で対応のバリエーションを増やしたり、よくある質問を追加するといったコミュニケーションモデルのアップデートも可能です。
ただしチャットボットだけで接客するには限界があるので人手をいれる必要があります。任せきりにするのではなく状況に応じて有人接客に切り替えましょう。
多言語対応が出来る
チャットボットは日本語だけでなく英語や中国語など、多言語対応が出来るので外国人からの問い合わせにも対応できます。
接客品質やオペレーターのコスト削減にも大きく貢献できるので、旅館やホテルなどインバウンド需要のあるウェブサイトに設置することで特に大きな効果が得られるでしょう。
カスタマーサクセスのツールになりえる
カスタマーサクセス(Customer Success)とは、顧客課題の受動対応ではなく能動的に提案・関与し成功体験を促す活動の事を指します。
カスタマーサポート(Customer Support)が顧客の問題解決の域に留まるのに対し、カスタマーサクセスは顧客を成功させるために積極的に働きかける点に違いがあります。
蓄積した顧客データを反映したチャットボットはパーソナライズされた商品をおすすめしたりクーポンを配ったりと、顧客が望んでいると思われる事を先回りして提案することが可能です。
実店舗で例えるのなら店内を見回しながら何周もしている顧客がいた場合、「デニムはどこにありますか?」と聞かれてから適切に対応するのがカスタマーサポートで、こちらから「何かお探しですか?」声をかけたり「お探しのデニムにあうトップスはいかがですか」と積極的に関与していくのがカスタマーサクセス活動だと言ってよいでしょう。
問題が起きる前に対応したり、顧客が気づいていないメリットにも目を向けるのです。
カスタマーサクセスを達成することで見込み客を取り逃がさず、より一段高いレベルの満足を与えられるようになります。

チャットボットのデメリット
残念ながらチャットボットを導入すればあらゆる問題が解決するというわけではありません。
下記の点で至らない部分があるのでメリットと合わせて把握しておく必要があります。
込み入った質問には答えられない
AIチャットボットを導入したとしても人間と同等の柔軟さを期待するのは難しいです。
サイト内の情報を回答するのなら有人接客よりも優れたスペックがありますが、高度で抽象的な質問になると回答できなくなります。
すべてをチャットボットに丸投げするのではなく、質問内容が高度になってきたら有人接客に切り替えるアルゴリズムが必要です。
コストがかかる
チャットボットをセッティングするには金銭的コストだけでなく時間的コストもかかります。
コミュニケーションモデルの構築には十分な業務フローのヒアリングやリサーチが必要だからです。
オペレーターの業務内容を詳しく分析して一対一対応の回答で済むものはチャットボットで完結させて、込み入った問い合わせは有人対応に回すといった細かな設定が必要になります。
また簡単なものならLINEやFacebookといったプラットフォームを利用して自作するも可能ですが、作成コストは必要ですし導入決定から設定完了までのタイムラグはなくせません。
導入を決めた次の日からすぐに使えるわけではありませんから注意して下さい。

チャットボットの事例
以上を踏まえた上でチャットボットの導入が成功している事例を紹介します。
株式会社ファミリア
ベビー・子供関連商品を扱う株式会社ファミリアではオンラインショップにチャットボットを導入し、24時間対応を可能にしました。

(※2019.09時点のサイトスクリーンショット)
メンバー登録やログインは不要なので初めてサイト訪問した顧客の疑問にも対応できます。
またチャットボットだけに接客をまかせて完結せずスタッフとチャットしたり、直接スタッフに問い合わせできる電話窓口も設けており、様々な経路から顧客対応できるシステムになっています。
株式会社アスクル
BtoBを中心としたオフィス用品の販売で知られるアスクルは複数のECサイトを運営しています。
その中でも事務用品を中心としたアスクルにはアオイくん、一般向けサイトのLOHACOにマナミさん、オンラインプリントサービスのパプリにヒカルくんというサイトのイメージに即したキャラクターのチャットボットを設置しています。

(※2019.09時点のサイトスクリーンショット)
質問をすると「まかせてください」と関連性の高い回答を返してくれるので、ヘルプページ内を検索する必要はありません。
サービスデスクの無料電話対応や、やり取りを文字で残しておける問い合わせフォームも備えており、顧客が望むコミュニケーションに最大限対応しています。
チャットボットの活用とその先にあるものとは?
以上、チャットボットのメリット・デメリットや活用事例について紹介してきましたが、AIや各種デバイスの進化によりその活用方法はさらに広がると予想されます。
現状では主にECサイト上のテキストを中心としたやり取りで接客を担当していますが、今後は実店舗でチャットボットと有人接客が組み合わされていくでしょう。
店頭にタブレットなどを設置してチャットボットとテキストでやり取りをしたり、音声対話式のチャットボットも現実的な予想の範疇です。
AlexaやSiriといった音声通話AI(スマートスピーカー)は実用段階に入っており、幅広い利用シーンで使われているにも関わらず驚くほど柔軟な回答をしてくれます。
店舗接客という限られたシチュエーションでのやり取りなら、チャットボットはかなり有用になりますし、既にホテルの各部屋に多言語対応のAIスピーカーやチャットボットを設置してオペレーションの支援を行っている事例もあります。
チャットボットは多くの面で有人接客に劣る点があると思われていますが、多言語対応しやすい点は人間をはるかに超えています。
英語だけならともかく中国語やフランス語、イタリア語、ドイツ語等の素養を併せ持つ人は希少ですが、多言語話者を雇用するより安価に導入できます。
パーソナライズされた対応も
AIを含むチャットボットは利用者のデータを取り込むことができれば、行きつけのお店で自分用の接客をしてもらえるように、様々なチャネルから集められたデータでパーソナライズされた対応が可能となります。
そしてオンライン・オフラインの区別なく、自分の望むやり方で商品・サービスを受け取れる未来がやってくるでしょう。

