AIによってコールセンター応対のトラブルを予防する
コールセンター業務において、伝えるべき重要事項をもれなく伝えているかを人手でチェックするのは、非常に骨の折れる業務となります。しかし、こうした業務こそAIを活用すると驚異的に効率化できます。本記事では、AIによるチェックを導入することでコールセンター業務にソリューションをもたらす事例を紹介します。
ヒトのチェックに比べて98%削減
トランスコスモス株式会社は、2019年6月25日、音声認識ソリューション「transpeech」の新しい機能のひとつとして、コールセンターにおいて約款や注意事項などの案内忘れをAIが自動でチェックする「AIディフェンダー」を実装したことを発表しました。
コールセンターにおける接客で注意すべきことは、スタッフの応対が取り扱っている商品やサービスの約款や注意事項をもれなく伝えているか、ということです。生命保険などの金融商品のコールセンター業務で重要な約款を伝え忘れた場合、後に深刻な問題に発展することもあります。
今回新しく実装された「AIディフェンダー」は、伝えるべき約款をもれなく伝えているかをAIがチェックするというものです。従来であればテキスト化されたコールセンターの接客記録を、ソフト等を使いながらヒトの目で伝えるべきキーワードをチェックしていました。こうしたヒトによる確認作業をAIが代替するのです。
同機能の効果を検証したところ、ヒトによる確認作業に比べて98%の処理時間の削減に成功しました。
「transspeech」とは
前述した「transpeech」とは、AIやRPAがコールセンター業務の管理を支援するシステムです。このシステムは、トランスコスモス株式会社が推進するAIとヒトの共存を標榜する「次世代デジタルコンタクトセンター構想」を実現する一環として開発されました。
同システムには、以下のような機能が実装されています。
・リスクマネジメント:通話記録の解析やスタッフへのナレッジ支援によってクレームを予防したり早期発見することで、トラブルが生じるリスクを減らす。
・クオリティコントロール:独自指標によって全通話を評価し、その評価を可視化する。可視化された評価結果を使って、スタッフのスキル向上をうながす。
・コストセービング:問い合わせを分析することで、通話における後処理時間を適正化する。
なお、トランスコスモスが設立したAI研究所「Communication Science Lab」は通話記録のAIによる自動評価システムの研究開発をしているので、同システムは今後さらに進化すると考えられます。
以上の「AIディフェンダー」のような特定のキーワードやフレーズを抽出するという作業は、AIが得意とするものです。AIがますます社会の隅々まで普及する現在、AIが得意な業務はAIに任せ、ヒトはヒトにしかできない業務を担当するという体制作りがもっともビジネス的な成功をもたらすでしょう。
