リアル店舗とチャットボットの連携した実例
チャットボットの導入事例と言えば、カスタマーサポートの自動応答サービスが多いのですが、リアル店舗でのショッピングをサポートする事例もあります。本記事では、そうしたリアル店舗とチャットボットの連携した事例を紹介します。
阪急うめだ本店を案内するOK SKY
2017年12月1日、阪急うめだ本店は店舗を案内するチャットボットOK SKYの導入を発表しました。日本の百貨店でチャットボットが導入されるのは、この事例が初めてでした。
同店のインフォメーションカウンターへの問い合わせ件数は毎年100万件を超えるため、問い合わせ業務の効率化が模索されていました。こうした問題を解決したのがチャットボットOK SKYだったのです。
同サービスを利用するためには、店内の各階に設置された店舗案内に掲載された二次元バーコードをスマホで読み取ります。すると、スマホにチャット画面が表示され、ブランド名等を入力するようにうながされます。そして探したいブランド名を入力すると、そのブランドがある場所に関する情報が表示されるようになっています。入力したブランドがECサイトで展開されている場合は、そのECサイトへのアクセス情報も紹介されるようになっています。
同サービスは日本語と英語に対応しており、増加傾向にある日本を訪れる外国からのお客様も利用できるようになっています。
在庫情報を確認できるUNIQLO IQ
2017年9月12日、ファッション・ブランドのユニクロはAIコンシェルジュ「UNIQLO IQ」の試験運用開始を発表しました。スマホアプリとして利用する同サービスは、以下のような機能をチャット形式で提供します。
・毎週、おすすめのコーディネートやトレンドワードを告知する。
・「コーディネートから」「カテゴリから」「トレンドから」という3つのカテゴリーから、商品を探すサポートを行う。
・購入したい商品が見つかったら、サイズとカラーを選択しもらいオンラインストアに誘導する。
・購入した商品に関して、ユーザの近隣店舗の在庫情報を調べることができる。
・リアル店舗内で気になった商品のバーコードをスマホからスキャンすると、その商品の在庫情報やおすすめコーディネートを調べることができる。
同サービスの開発には、Googleが提供するapi.aiという自然言語処理を実装したアプリ開発プラットフォームが活用されました。api.aiには機械学習機能も実装されているので、同サービスはユーザの利用状況を学習してユーザ一人ひとりに合わせた回答ができるようになります。
なお、同サービスの試験運用には2000人のユニクロ会員が参加しているのですが、2018年春には正式運用となり、すべてのユニクロ会員が利用できるようになる予定です。
IBM Watsonを使ったMacy’sの<モバイルコンパニオン>
1858年創業のアメリカの老舗百貨店Macy’sは、2016年7月よりIBMと提携してチャットボット・サービス<モバイルコンパニオン>の試験運用を開始しました。
Macy’sは近年販売不振に陥っており、店舗での買い物体験をより楽しいものとする施策を探していました。そこで目を付けたのがチャットボット・サービスでした。同社が導入したチャットボット・サービスは前述した阪急うめだ本店の事例に似たものです。具体的には、スマホアプリから欲しい商品名を入力するとその商品の売り場情報や在庫情報が表示されます。
同社が目指しているチャットボット・サービスが実現すべきゴールとは、簡単な接客はチャットボットに任せることによって、ヒトの店員が複雑な接客に専念して売上を伸ばすこと、とのことです。
なお、同サービスにはIBMが開発した人工知能Watsonが使われています。
以上のようにリアル店舗においてチャットボットを適切に活用すると、買い物体験をより充実したものにできると同時に、ネット販売に誘導することも可能なのです。こうしたリアル店舗におけるチャットボット・サービスの導入は、今後あらゆる業種で進むことでしょう。
